仙南選手権大会のトロフィーは・・・
仙南選手権大会は私にとって特別な大会です。
平成19年、川崎アタッカーズの前監督である小野監督が亡くなる1ヶ月前にこの大会があり、車椅子でいらした小野監督が持ってきたトロフィーが仙南選手権大会の優勝トロフィーとして優勝チームに捧げられています
このトロフィーは川崎にあるべき、と、監督になってから毎年頑張って臨んだ大会です。
仙南選手権大会はそういう意味が私にとってはあります。
振り返れば、過去の優勝回数は8回、私が監督として16年ですから勝率5割というところです。
大会での監督のあり方、自分の中でのあるべき姿
今年は負けてばかりの戦績。
バレーを始めたばかりの初心者が多い団員編成にあっても男子と女子チームとして活動し、案の定勝てません。そんな積み上げをして経験重視・優先で活動してきました。
それは、この大会で勝つことを視野に入れた計画的なことです。
1年以上バレーをしてきた子が4人ほどのチーム事情。
そんなに簡単に勝てるわけがありません。
現在も子どもたちの実力はそれなりです。
悪くはなっていないけど、まだまだです。
強くはありません。
しかし、昨日は強くなってもらわなければ優勝できない。
昨日は選手たちに”魔法”をかけるしかないと思っていました。
ずっと、ボジティブワードを子どもたちに伝えていました。
一人一人にとって心が育つ言葉を探して。
みんなには力がある!
絶対できる!
練習してきたことを信じよう
無心でボールを追いかけレババレーぼ神様は味方してくれる
みんなのサーブはとんでもないボール、爆弾だね
ミスなんてどうでもいい、絶対やれる!私を信じろ!
安心してボールに触りに行け!絶対できる、私を信じろ!
子どもたちの顔つき、表情が時間の経過とともに和らぎ、笑顔になっていきました。
私を囲んで私の言葉を聞き入ることもたちに確かな成長を感じました。
監督のできること
試合が始まったら監督のできることなんてほぼない。
何もしなくても勝つ。
そういうチームに育てるのが私の仕事だと日々思っています。
日々の練習では私は厳しいです。
練習がいい加減では、上手くなることも強くなることもないはずです。
自分自身が”まあいいか”と妥協して成長を止めることはしないよう、自分に言い聞かせて日々子供達を観ています。
でも、大会ではよほど態度が悪かったり不貞腐れたりすれば叱責しますが、怒ったりはしません。
”ボールを触ってミスするのは私の指導が悪い、でもボールを触りに行かないのはみんなが悪い”
これを貫いています。
昨日の仙南選手権大会は計画的に優勝するつもりで臨んでいます。
今年度のチーム育成の集大成。
今年度は負けてばかりの初心者軍団。
でもその積み上げの成果を出すのが、今大会だと、計画的に指導にあたってきましたから、昨日の優勝は会心の出来です。
本当の強さ
今のチーム、子どもたちに本当の強さはありません。
この大会が子どもたちの晴れ舞台となったのは、監督である私が仕事をしたからだと評価しています。
当たり前のように勝つ、優勝するには、ちゃんとした理由があります。ちゃんとバレーボールの技術を教え、心を育て、まともなバレーボールができる小学生にするための練習が必要です。
その上で大会で力を発揮してもらう。
監督の仕事を私はしたと自負しています。
私は昨日は笑顔で過ごしました。ベンチで笑顔を見せていました。
ですが、決して楽しいわけでも嬉しいわけでもありません。
全ては、子どもたちを安心させるためです。
力を発揮させるためです。
まだまだ、力はありません。
強くしてあげないと自分たちで強くはなれません。
ただ、私のことを信じて頑張ってくれた、戦ってくれた、そして優勝できたという、昨日の実績・足跡は、これから先の新たな目標に向かって突き進む勢いになるでしょう。子どもたちの自己効力感が持てる経験になったことでしょう。
私のことを子どもたちは信頼してくれた、監督はこういう人なんだ、自分のことを思ってくれて認めてくれている、と思ってもらえたのでは、と感じています。
いろんな意味で、特別な意義のある10月6日(日)、昨日でした。
チームのマインド、視野を広く持ち可能性を広げよう
子どもたちはまだまだこれから強くなるでしょう。
今はまだまだです。
昨日の優勝は、これから強いチームになれる、ということを実感できた経験です。
子どもたちだけではなく、親にとってもです。
正直、私は今年のチームにいる子ども、親にも、監督として私の存在を認めてもらっているとは思っていません。
承認欲求を満たそうとしているわけではないのですが、なんか違うんです。
視野を広く、人の立場になって、いろんなことを振り返り、考えるきっかけにもなるチャンスになればいいなと思います。
あらゆる意味で、仙南選手権大会は私にとって特別な大会です。今年度はより特別な意味を持つ大会になりました。
子どもが主役とはいえ、小学生は親に左右されます。
親の考え方と監督に対する認識がチームを良くする、育てる上では重要な要素になり、質に関わってきます。
私も、ちゃんと子どもを育てていく気概を見失わないよう、初心を思い出すことができました。
信頼し合える、健康なチームになりたいものです。
川崎アタッカーズはこれからも躍進をし続けるチームになります。
そのための心、考え方、整えたいですね。